抗がん剤の副作用に対する効果
水素点滴はがんの予防や進行の抑制、副作用の軽減のために一部のクリニックで導入されています。
なぜがん治療で水素点滴を導入するクリニックなどの医療機関があるのかというと、
その一つはシスプラチンの腎毒性軽減に有効であると考えられているからです。
抗がん剤として使用されているシスプラチンは、金属化合物の作用によりがん細胞を死滅させています。
そのため多くのがん治療で使われていますが、その一方で強い腎障害を引き起こす副作用があります。
ですから投与をする前後には必ず強制利尿と大量補液が行われ、副作用のリスクを下げなければいけません。
実験動物のラットを使った実験では、水素を含む水を摂取するとシスプラチンの腎毒性による腎機能障害を改善する効果が認められ、
それを人間に応用するために水素点滴が使われています。
水素点滴には、エビデンスがないとする批判も一部にはあります。
しかし効果については臨床試験や動物実験によりエビデンスがあるものもあるので、一概に否定することはできません。
現在はまだ一部の医療機関のみで行われている初期段階ですが、将来的には広く行われるようになる可能性は十分にあるでしょう。
水素点滴のリスクや治療対象外となるケース
医療機関での治療というのは、必ず副作用はあるものです。
そのため治療を受ける際には、副作用のリスクや治療対象外への症状も把握し受けるか決めなければいけません。
水素点滴にも当然ながらリスクとなる副作用はあり、具体的に吐き気や嘔吐です。
その他にも気分不良や頻尿などの副作用はあり、受けた後には注意をしなければいけません。
また点滴特有の注射に伴う内出血や血管痛、注射痕などもリスクとしてあげることはできますが、
しかしどれも水素点滴の副作用は比較的軽いものが多く、重篤化するケースはほとんどありません。
ですから一般的には特筆すべきリスクはないとされ、安全性は高いと考えられています。
治療の対象外となる症状には、重篤なアレルギーや既往歴のある患者さん、活動性感染症を有していたり
治療が必要になるほどの精神障害を持つ患者さんも受けることはできません。
酸素日投与の時点で動脈血酸素飽和度が94％未満だったり、透析を必要としている腎障害患者さんも受けられません。
他の治療法や医薬品などと同様に妊娠中や妊娠している可能性が高い、または出産し授乳中の女性も
胎児や赤ちゃんへの影響を考え水素点滴の対象外となっています。