インフルエンザの患者に治療を行ったのが始まり

水素点滴の効果1920年に、イギリスの内科医がインフルエンザにかかった患者さんに対して行われたのが過酸化水素点滴の始まりです。


当時のインフルエンザ致死率は80%を超えていたといわれており、インフルエンザの患者さん25人に対して点滴を施したところ、致死率が48%まで改善するなどの結果が出ました。


アメリカにおいては、1960年頃からがん治療に対する研究が始まり少量の過酸化水素点滴は副作用が少なく、しかも高圧酸素療法と同レベルの体内での酸素化効果が期待できることを発見したといいます。

効能の研究

 

がん治療で使うときには放射線治療と併用する形になるようですが、3%の点滴用過酸化水素を5%のブドウ糖液に混ぜて用剤とし抹消静脈より点滴投与するやり方です。


使用する水量は効果を診ながら段階的に増やす形で行われます。
高濃度ビタミンC点滴は過酸化水素点滴後に行うのが特徴で、過酸化水素点滴を最初に行うことでビタミンC血中濃度が上がりやすくなる、これにより血中濃度の低下を抑えてビタミンC投与量を節約できるメリットがあります。


ちなみに、過酸化水素点滴はG6PD欠損症・甲状腺機能亢進症・妊婦は禁忌とされており、これらの疾患および妊婦さんは利用することはできません。

 

循環器疾患にも適応する治療法です


過酸化水素点滴は体のさび落としにもなるといわれていますが、体のさびは空気中の酸素により金属が酸化を引き起こしてさびてしまうのと同じく、活性酸素により酸化が引き起り老化の促進に繋がるものです。


老化が促進されると脳卒中や心筋梗塞などの動脈硬化性疾患やがんなどの病気を引き起こしやすくなります。


ちなみに、成人の場合は1日あたり約430リットルの酸素消費が行われますが、この中で1~2%は体の中で反応性の高い活性酸素に変化するのです。
なお、水素点滴は血行性に拡散する治療法ですから、体全体に確実な効果を期待できるなどのメリットもあります。

水素点滴の効能

 

がん治療の一つでもある放射線治療と併用することでがん細胞の酸素化、狭心症などの心筋虚血への効果が期待できるといいます。
がん細胞の酸素化は、放射線治療による放射線に反応しやすい状態に導くため表面に生じているがん細胞だけでなく中心部分まで放射線により破壊ができるになるわけです。


狭心症は循環器疾患の一つで、不整脈や抹消動脈疾患なども循環器疾患に含まれるものです。
過酸化水素点滴は循環器疾患や呼吸器疾患、ウィルス感染・細菌感染症・真菌・2型糖尿病・転移性がん・悪性リンパ腫・慢性疲労症候群など幅広い適応があるといわれています。